日曜日と青空の気分

2004/11/23

大佐はネコ派だ、と俺は思う。だって今も。


「ほれほれ」
気のない顔で、書庫の窓の下でブラックハヤテ号の目の前にウィンナーの切れ端をぶら下げる。
「いいわけ、そんな遊んでて」
本を片手に俺はひょいとのぞく。その瞬間、ブラックハヤテ号はさっと大佐の手からウィンナーをさらっていった。

「鋼のォ…」
恨みがましい声は聞かなかったことにする。だいたい何なんだ、その左手の発火布は。噛まれでもしたら即燃やす気だろう。
「ブラハは賢いからわかるんだよ」
「飼い主に似て、な」
「そうそう、その通り」
大佐の飼い主は誰なんだろう。
気まぐれで気位が高く、ひそかにツメを研ぎ澄ませたこの黒猫を飼っているのは。



「…毛並みがいいから、野良じゃないよな」
「何の話だ」
ぼんやりと眺めながら言えば、顔をしかめられた。
「犬と猫は相性がイイわけないよなって話?」
大佐はちょっと嫌な顔をした。
「当たり前だ。野良なわけあるか」
あ、やっぱりイヌとネコならネコだと思ってるんだ、と俺は少し可笑しくなる。

「いいもの食べてそうだもんな」
「飼い主に似たんだろう」
「…飼い主って誰なの」



おやおや、拾ってエサをやってるご主人様を忘れるとはいい度胸だな、金の子猫。
いろんな芸も仕込んでやったというのに。




…俺がネコの方かよ…。
嘆息した俺は、わかっててにやにやする自称「飼い主」を見る。
「じゃあ、多少の恩返しということで、あんたに仕込まれた芸でも披露してやろうか」
「楽しませてくれよ」
今夜な。
大佐は片手を挙げて立ち去り、俺は本に目を落とした。


日常的な戯れってゆーかァ…?(疑問形)



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