試問

2004/08/15

駄文を集めてみました


「いいかげんにさ」
なだめるように抱きこんだ頭を二、三回ぽんぽんと叩く。
それでもうずくまったいい年した男は、ぎりと痛いほどにコートにしがみつく。
俺はそんなあんたを見てるほうが痛いよ。
どこか投げやりにそう考えて、
「俺を試すようなマネやめろよ」
な、と言うと、胸に押しつけられた頭がいやいやをするように動く。
「何だよ、どうしたんだよ」

本当に仕方のない大人だ。
そんなことを考えていたから、一瞬思考がついていかなかった。
「…お前を試してるわけじゃない」


ただ、こんな戯言をいつまで本気で言えるか、自分を試しているのだと。


その意味を了解して。
俺はたまらなくなって、この男を押し倒した。


…アホウです、アホウ。
恥ずかしい言葉を平気で吐ける、みっともないまでにエドに執着するような言動が人前でできる。それは上辺で愛を生きてた大佐にとって、重大な指針だと思うの。
自分がエドを愛していることに自信が持てない大佐。
けれどその言葉って、とりあえず今現時点について、エドにとっては、愛の告白でしかないわよね?という話。
「ただことばもなく(pict)」の逆バージョンみたいですね…


冷たい石は俺には何の意味もなく、俺はただその前に立ち尽くすしかない。俺は空白の心でその前に立ち続ける。



「俺のせいで…」
「泣いて、くれる?」
「え?」
「バカなあの人のために泣いてくれる?エドワード君」
若い未亡人は母とよく似た柔らかい笑顔で俺を見る。
小さい頃の俺にはわからなかった、その瞳から溢れる悲しみ。わかってあげられなかった。
俺は俺の短慮でまた一人、母さんみたいな人を作ってしまった。

そうして俺は彼女に抱き寄せられるままに、その腕の中で泣いた。


…とかいいなー…。
グレイシアさんとエド。
えと、大佐は突っ張っちゃうから相手役としてダメなんですね。
ここでエドの流す涙は、条件反射に近い。エドが悲しみを覚えているわけではなく、悲しい人に抱かれたから、涙を流す。そんな機械的な反応。




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