我らが影の声

2004/09/11

呼び出された先で、任務が消えうせたと聞いた。
俺に調べさせようと思っていたら、その矢先に武装蜂起してしまい、軍が出動する事態になった。
まだそこまでではないと思っていたのだが、悪かったな、と後処理中の大佐は言い、本当に申し訳なさそうな顔をした。
いいって、どうせ賢者の石の手がかりも底をついてたころだ、と俺は顔の前で手を降る。
それに大佐の考えていたことは想像がつく。こんなに手早く軍を展開して抑えこめているということは、だ。
アレだ。
どうせぷすぷす燃えかけているところに俺を放り込んで、ひっちゃかめっちゃかになって奴らが混乱…もしくは内部分裂したところで、踏み込むつもりだったのだろう。
そんなのにこうも毎度毎度乗せられるわけにはいかない。


「ああ、そうだ。リゼンブールが近いじゃないか。ついでに羽を伸ばしてくるといい。休暇だよ」
「ええ?この間小言言われたばっかりだっつーの」
「――…君は行く先々に小言を言ってくれる人がいるのだな」
皮肉めいた物言いだったから。いつもの挑戦的な表情だったから。
一瞬騙されそうになって。
ふと息を吐く。


「大佐にもいるだろ。中尉だって、俺だって。
あんたがムチャしようとしたら怒るよ。すごく怒るよ」
もう――いない人もいるけれど。


「まだ、大佐にはいるだろ」
俺たちが。


「後処理中の大佐」ってのは、事後っていう意味じゃないですからね!紛争の後処理をしてるのよ。
…アホな言い訳をしてる自分が虚しい…。
とりあえず、いつまでも二人の間に落ちかかるヒューズの影。みたいな。


■ 肩甲骨は翼のなごり ■

あたしは男の骨が好きなのに、エドは筋肉質で大佐は中年太り(ェ)なので、骨に張り付いたような皮の表現ができなくて本当に残念です。
ちょっと気がおかしくなっても、どんなに大佐への愛で目が曇っても、大佐の反り返った背中の肩甲骨が今にも皮膚を突き破って翼を広げそうに見えた、なァんて真っ最中の描写はできません。
ああ、本当に残念だわ。

大佐がもっとスリムだったら良かったのに。そしてもっとスマートで骸骨か吸血鬼のようだったらよかったのに。




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