共に生まれ出でた君へ

おめでとうございます、と竜が御馳走を作ってくれて、
まん太がおめでとう、と律儀にプレゼント持参でやってきて、
ホロホロが、あーすまねェ。なんもプレゼントがねえや、と言って、
チョコラブが一発芸を披露すると言って、みんなが引いて、
ファウストがにこにこと妖しげなプレゼントをくれたけど怖くて開封できないままで、
リゼルグが大したものじゃないけれど、と小さな包みをくれて、
蓮が照れた顔でそっぽを向きつつ、プレゼントをくれて、
姉さんから頼まれた、ってのは言い訳だろ?
幹久はいつものごとくどこからともなく現れて、オイラの小さい頃の恥ずかしい思い出(全部嘘っぱちだ、あいつはオイラが小さい頃はいなかったんだから)を語ろうとするので、ぶっ飛ばしておいて、
たまおが恥ずかしそうにケーキを持ってきて

みんなで楽しくお祝いして

誰かに誕生日を祝ってもらったのは、初めてだと、
そんなコトにも気づかないふりをしてオイラは楽しんだ。

麻倉の家では、この日は祝う日ではなかったから。
今になってみればわかる。
この日は、麻倉にとってオイラが生まれた日ではなく、ハオが復活した日だったのだから。
…そんなことも気づかないふりをして。

どんちゃん騒ぎがはじまると、オイラはそこをそっと抜け出す。
縁側に座ったアンナの隣に腰を下ろすと、前を向いたまま、おめでとう、とそう言う。いつもの声で。
プレゼントは?
軽口を叩くと、アンナは笑う。返してもらえないのに、あげる気はないわ。
アンナの誕生日にはちゃんと返すのに。
あんた、あたしの誕生日知らないでしょう。
あ…本当だ。
あたしも知らないのよ。だから、気にしなくていいわ。プレゼントはいらないから、あたしもあげない。……あんたに何かあげるとしたら、それはあんたがシャーマンキングになった時よ。

オイラは少し考える。
それって……言いかけてやめる。
アンナの頬が少し赤くなってるのを見たら、何となくわかるし。
そっか、じゃあますます頑張んねぇとな。
そうよ。そしてあたしに楽をさせてちょうだい。
赤くなりながらつんと澄ましたアンナはかわいかった、とっても。


夜になって、みんな帰ったら、オイラは外に出る。
アンナにも気づかれないようにそっと抜け出して、森へ向かう。
言わなきゃならない相手がそこにいるから。
今日を祝うべき相手が、そこにいるから。
オイラは祝ってもらうだけじゃなくて、ちゃんと祝ってあげたいんよ。


  誕生日おめでとう、な。
 


こんなんでいいのか…(笑)。
麻倉が祝ってくれなかったであろうこと、アンナさんの祝い方、それからハオ様に対しては祝ってあげたい葉。
書きたかったのは、そのあたりかな。

…説明が必要かしら。葉がシャーマンキングになった時にアンナさんがあげるものって、もちろん自分自身だったりします(笑)。え、ドリー夢?そうかな?けっこうそうだと思うんだけど……。




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